こんにちは。

3日ぶりの更新です。

前回まで人々の暮らしの変化による生態系の急激な変化とその危機についてお話しました。

今回はその変化によって新たに発生している問題の1つについてお話したいと思います。



皆さんはこの動物を知っていますか?


C.n.centralis.jpg


まあ...、皆さん知ってますよね?

決して馬鹿にしてるつもりはございませんのでそこはご了承ください...



はい...、シカという動物です。

正式には二ホンジカという種類で、その名の通り日本に生息している種類です。


まずは二ホンシカの生態についてお話します。

二ホンジカの食性は植物で、木の葉ササ果実、さらには樹皮まで、何でも食べます。

繁殖力は非常に高く、生態的には2歳から子供を産めることができ(野生では4~6歳)、

寿命は20年ほどです。



この二ホンジカのどこが問題かというと、

急速な増加により生態系が一変しかけているのです

前述にも書いた様に二ホンジカは基本的に植物ならば何でも食べてしまいます。

そのうえ食欲も半端じゃありません。




この写真は、奈良県と三重県の県境付近にある大台ケ原という場所の写真です。

大台ケ原は年間降雨量4000㎜という世界有数の多雨地帯として知られ、

南の島「屋久島」と並び日本を代表する原生林を誇ります。

そのため世界遺産として登録もされています。


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次はこちらの写真。

実は先ほどの写真とこちらの写真、

場所は同じ大台ケ原という場所なんです


この写真に写っているのは大台ケ原の正木峠という場所です。

棒の様に立っているのは立ち枯れしてしまったトウヒという木です。

かつて正木峠も先ほどの写真の様な原生林を誇る緑豊かな場所でした

しかし...、

シカたちによって林床の草本は次々に食べられ木の根が剥きだしになったり

樹皮を食べてしまったことで木々は次々に立ち枯れを起こし、

上記の写真の様な荒れ果てた姿になってしまったのです。

シカたちは土壌の養分になる落ち葉まで食べてしまうため土壌内の養分は欠乏し、

例え木の新芽が生えてきたとしても、シカが摘んで食べてしまいます。

なのでシカがいなくならない限り大台ケ原の原生林は戻ってくることはありません...



シカが急激に増加してしまった原因は地球温暖化による冬場の死亡率の低下狩猟者の減少と言われています。

昔は子ジカやお年寄りのシカなどの体力がないシカたちは冬場に死ぬことは珍しくなく、

そのことで生息数を一定に保つことができていました。

しかし近年の地球温暖化の影響により、1年の平均気温が上昇し始め、

それと同時に冬場に死亡することはほとんど無くなりました

また、

社会経済の変化によって山での仕事は激減した為に十分に収入を得られない狩猟者の人口は年々減少し、

今では狩猟者の人口が少ない為、獲っても獲ってもキリがないのが現状です


これらの条件とシカの生態である繁殖力の高さが重なったことで増加傾向に拍車がかかってしまっているのです。


また、これらの問題だけではありません。


1980年代までは農林業被害など、人間の活動範囲内での被害が多かったので何とか対応が可能でした

しかし、

過去の拡大造林計画によって餌量の多い環境を大量に作り出してしまったため、

シカを人里から奥山へ誘導する形になってしまい、

2000年代からはシカが原生林などの原生的自然の脅威になってしまったのです。

人間が環境の利用方法を変えてしまったのです



シカの増加を食い止めるため、色々案が出されている様ですが、

シカを年々増え続ける為正確な現存数を調べるのは困難です。

その為捕獲して減らすとしてもどのくらい減らせば良いのか明確な数が分からないのです。




このままシカが増え続けることになれば先ほど紹介した大台ケ原の悲劇が全国各地で起こることになるのです

人々の暮らしが変化したことにより、一番変化してしまったのは人と森、人とシカの関係です。

かつてシカは人々にとって貴重な資源でした。



この問題を解決するのに一番重要なことは、

その原点に立ち返ること、シカへのイメージを変えることではないでしょうか

シカを害獣としてではなく、かつての様に資源として見るのです。

そう考えると今日本では有用資源が有り余っているということになるのです

実際北海道では実際にシカを有用資源として扱っています。

そうすれば光は見えてくるかもしれません。




僕はシカ肉を食べたことがありますが、

結構美味しいんですこれが

一回食べてみてはどうですか。


と、

食べ物の宣伝みたいになっちゃいましたが...、

今回はこれにて失礼いたします‼